こんにちは。
TOEICスコア別対策記事の第1回ということで、今回はTOEICスコア別の対策や教材について紹介していきたいと思います。
なぜこのスコア帯から記事がスタートするのか
なぜこのスコア帯から記事がスタートするのかですが、主に以下の3つの理由です。
- TOEIC受験者のスコアの中央値、平均くらいのスコア帯であること
- 就活、転職、社内の昇進の目安となるスコア帯であること
- 私のTOEIC初回受験時のスコア帯であること
1点目についてですが、以下の記事で紹介しているように、TOEIC受験者の中央値(一番人数が多い)が545-595のスコア帯であり、平均はだいたい600前後です。英語を最低限理解できるということを示すことができるスコア帯だと思います。
中央値、平均ということは丁度真ん中くらいであり「普通の英語力ではないか、アドバンテージはないんじゃないか」と思われるかもしれませんがそんなことはありません。言うまでもありませんが、中央値や平均というのはTOEIC受験者の中での話です。例えば15歳以上の就労人口が全員TOEICを受験したとすると平均は間違いなく激減するでしょう。
世の中には英語、ましてやTOEICに縁のない人の方が大多数を占めます。その中でこのくらいのスコアは十分に英語力を示すことができます。
TOEIC初学者の方は、まずはこのスコア帯を目指すことが最初の目安になるかと思います。
2点目についてですが、このくらいのスコアを保有していれば、就活や転職の際にアピールすることができるようになります。また、英語活用実態調査にもある通り、社内の管理職登用の基準としてTOEICスコアが使用されるのもこのくらいのスコア帯からになります。
3点目についてですが、私のTOEIC初回受験時のスコアが555であり、以降継続的に学習を続けた結果、現在の960まで到達しました。
私自身、555以下のスコアを取得したことがないため、このスコア以下については自分の経験とTOEICスコアを照らし合わせた説明ができません。想像しながらの解説になってしまうため説得力に欠ける畏れがあります。
この記事では自分の経験を元にした説明のみにしようと思い、第1回目としてはこのスコア帯からの対策記事とさせていただきたいと思います。
このスコアのレベル
TOEICスコア分布についてでも説明の通り、TOEIC受験者の中央値、平均がこのスコア帯になります。
リスニング、リーディング同じ点数(250-300)という前提で、正答数でリスニング50〜60問、リーディング60〜70問が目安です。(受験回によって幅があります。)
一般的に同じ正答数の場合、リスニングの方がスコアが高くなります。
このスコアに到達時の私の英語力
TOEIC初回受験時の私の英語力について詳細に話します。
私のTOEIC初回受験は大学のクラス分けのために必要なIP試験でした。
高校時代の英語の評定は10段階で8-10、高校の中では比較的英語ができるほうだったと思います。
当時のセンター試験(共通試験の前身)では200点満点で198点、リスニングが50点満点で30点でした。リーディングが得意でリスニングが苦手でした。
英語にはある程度自信があったので、TOEICもそこそこ取れるのでは?と思っていたのを覚えています。
試験を受験するまで、一度も問題を見なかっただけではなく、
- TOEICがどのような形式の試験か
- 全部で何問あるか
- 何点満点か
- 試験が何分か
- どのような問題か
このあたりについて何も知らない状態、本当の初見で受験しました。
TOEICを受験されたことのある方はよくわかると思いますが、TOEICはそんなに甘い試験ではなく、リスニングはほとんど聞き取れない、リーディングは20問近く色塗りで終わるという散々な結果となりました。
初回受験の結果は555(リスニング:200、リーディング:355)で990満点で全然取れてないじゃん、、、と当時は衝撃を受けました。
- 高校時代に英語の成績がトップクラス
- センター試験はほぼ満点
- 英語を得意と自負している
このくらいのレベルで平均点に届かない、それがTOEICなのだと思い知りました。
対策(学習編)
上記の通り、ある程度英語に自信のある人が初見で受験をしたときのスコア帯がこの範囲だと思っています。
初回受験時にはTOEICのイロハを何も知らない状態で臨みましたが、初回受験でTOEICの全体像(問題の種類、時間配分等)を掴むことができたので、半年後の受験では655となりました。この間、TOEIC専用の対策をしたわけではなく、英語に触れたのは大学の講義のみ、あとは2回目受験時の際には時間配分に気を付けてリーディングパートを読むスピードをあげる等実践したのみです。
したがって、
- 高校時代に英語の成績がトップクラス
- センター試験はほぼ満点
- 英語を得意と自負している
このくらいのレベルの方が、TOEICについてよく理解した上で受験すれば600点台には到達できると思います。
600点台まではTOEIC専用の勉強というよりも基礎力を固めることが重要ということです。
TOEICの範囲のうち500-600台のスコアは受験英語でカバーできます。
イメージは以下の通りです。(受験英語で必要な「発音・アクセント」や「英作文」等はTOEICには出題されません。)
さて、対策についてですが、TOEICの対策をするというよりも中学1年生で学習する文型のような初歩から高校3年生で学習する関係代名詞、仮定法等の応用まで網羅的に学習することをおすすめします。
TOEICの教材を解きながら間違えた問題を1つずつ復習して覚えていく、というのも勿論悪くないですが、このスコア帯に到達していない人は一度英語の基礎を体系的に固めたほうが良いと思います。
基礎がない状態でTOEICの教材に取り組んでも解説を読んでも理解ができず、学習効率が上がりません。
700-800台のようにより高いスコアを目指していくのであればこのタイミングで基礎固めを意識すると良いかもしれません。
以下、おススメの教材を紹介します。
文法書
長文読解
試験直前(だいたい1-2週間前)にはTOEICの模試に取り組んでみてください。
2,3回分で良いと思います。(模試2,3回分+復習)
模試を使って知識を増やすというのがメインではなく、試験の形式に慣れること、リーディングが時間内に何問まで解けるか(何問程度が色塗りとなるのか)を把握することが目的です。
対策(試験編)
試験対策はリスニングとリーディングに分けて説明します。
スコア帯に関係なく、最初のステップとして目標のトータルスコアを設定し、そのトータルスコアをリスニングとリーディングでそれぞれのスコアに落とし込んでください。
リスニング
できる問題を落とさない
何を当たり前のことを、と思われるかもしれませんが大事なことなので話しておきます。
TOEICには誰もが解けるような難易度の低い問題も、一部のハイスコアの方しか正答できない正答率が非常に低い問題もあります。このスコア帯を目指すからには難易度の低い問題で落とさないことが前提となります。
Part2であれば設問に対して何の捻りもないストレートな回答となっているパターン、Part3,4であれば設問の内容がほとんどそのまま聞こえてくるパターン等です。
正答数から逆算をして各Partで何問取るか決める
リスニングはPart1が6問、Part2が25問、Part3が39問、Part4が30問あります。
リスニングで250-300を取得するために必要な問題数50-60問を各Partに割り振りましょう。
得意、不得意がないあるいは全般的に不得意ということであれば次の項目の説明にも関連しますが、Part3,4で3分の2(46/69)、Part1,2で残りの4-14問という目標であれば比較的無理がないと思います。
Part3,4は「3分の2」と割り切る
Pat3,4は問題用紙に設問が書いてあるため、高得点を狙うためには設問の先読みが不可欠になります。ただ、このスコア帯を目指す人にとっては各問題の設問3題を先読みしてリスニングに取り組むのは難易度が高く現実的ではありません。
「先読む問題を2問のみとし、その問題は絶対に聞き逃さない、残り1題は色塗り」このくらいに割り切るのがいいと思います。
先読みができず、事前情報なしで問題文を聞くというのが一番正答率が下がるリスクが高いと思います。
全部を取ろうとして全てが中途半端な理解となり全滅してしまうよりも、1問を犠牲にしてでも残り2問の正答率を高めていくというのがひとつの戦略だと思います。
3分の2の部分は100%取らないと達成できないのではないかと思われるかもしれませんが、残りの3分の1が23問あるため、色塗りだとしても単純計算で5-6問は正解できています。
「3分の2」というのは確実に狙いにいった問題と色塗りで結果的に正解だった問題の合計で達成しようという思想です。
なお、3分の2の問題の選び方は、設問が短く先読みしやすい問題に絞ると良いと思います。
リーディング
最後まで解き終わらない前提で取り組む
このスコア帯の方は、リーディングはほぼ確実に時間内に解ききることができません。
最後に多かれ少なかれ色塗りが発生します。
最後まで解き終わらない前提で対策を練るべきですし、その前提で試験にも臨む必要があります。
色塗りする問題を選別する
上記項目に関連しますが、事前の学習で自分が残り何問で時間切れとなるかおおよその目安を把握できていると思います。
最初から順に解いていき、時間内に解ききれなかった後ろ側の問題を色塗りする、というのは非常に勿体ないです。
というのも、TOEICは問題の最後のほうが難易度が高くなるというものではないため、色塗りした中に実は容易く解答できる問題があったという可能性があるからです。
個人的な意見としては、Part6の文挿入問題やPart7のシングルパッセージのarticleの問題は難易度が高いと感じます。私は文挿入問題については初めから色塗りして飛ばす、シングルパッセージについては少し読んでみて難しそうだったらとばす、これくらい割り切っていました。
問題の最後を色塗りするのではなく、途中の問題を色塗りしながら何とか最後まで解ききる、これだけでもスコアが大きく違ってくると思います。
Part5で迷ったらマークしてとばす
これも結局色塗りする問題を選別する、と同義なのですが、Part5については知っているか知らないかの知識の問題であり、悩んだところで解答が思い浮かぶ可能性は非常に低いです。
ですので、少しでも迷ったらマークしてとばすというのを意識づけておく必要があります。
迷ったらマークしてとばす、これを徹底することで正答率はさておきTOEICハイスコアの人と問題を解くスピードについては同じレベルとなるわけです。
200問目までたどり着くことが何より大事です。
まとめ
いかがだったでしょうか。
英語が苦手な人が一番最初につまずくのがこのスコア帯だと思います。
このスコア帯に到達できた英語力の基礎のある方であれば対策次第で700-800台のようなスコアも達成が可能だと思います。
まずはこのスコア帯を達成し、よりハイスコアを目指せるための下地を作っていただければと思います。
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